「美代ちゃんを救え!」・あらすじ




舞台は、終戦から一〇年後の沖縄のコザ市。
カデナ米軍基地ゲート近くに「センター通り」と呼ばれる町並みがあった。

そこに住むぼくらは映画の少年探偵団を真似て「センター少年探偵団」を結成し、
ぼくらなりに街のために活動していた。

メンバーにアメリカ兵を父に持つ小学三年生の美代ちゃんがいた。
一緒に暮らす親代わりのカズおばぁが病気で入院することから、
身寄りのない美代ちゃんはアメリカ人との養子縁組でハワイに行くことになった。

美代ちゃんのたっての希望でぼくとメンバーの明ちゃんは彼女と一緒に実家のある沖縄南部のK部落に行く。
その場所は、沖縄戦の激戦地で美代ちゃんの肉親も五年前に病死した母親を除いて全員が亡くなっていた。

ぼくもアメリカの黒人との合いの子。
美代ちゃんのハワイ行きに複雑な思いを抱きながらもセンター少年探偵団員と一緒にカデナ基地の照明弾演習の夜、
呼笛を吹きながら美代ちゃんを乗せたジェット機を見送る。

四〇年余が過ぎ、ぼくはセンター映画館のオーナーの明ちゃんから秘蔵の記録映画上映会の招待を受ける。

そこで見た一六ミリ映像にぼくは唖然とする。
スクリーンに映し出されたのは、あの懐かしい顔だった。

♪音声AIナレーション





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